業務の視える化は、こう進める ――過剰に構えず、現状を描き切る 第4回
業務の視える化というと、「大変な改革」という印象を持たれがちだ。
しかし、いくつかのセオリーを押さえれば、過剰に構える必要はない。
セオリー①
立場を超えて「目的」を共有する
まず共有すべきなのは、やり方ではなく目的である。
雇用形態を問わず、
実務を担う担当者とともに、
業務の実態を捉えていく。
この前提を最初に明確にすることが重要だ。
視える化は、個人を管理したり、正しさを裁いたりするためのものではない。
現状を知り、問題に気づき、課題を共有するための取り組みである。
セオリー②
手順の前に、業務を棚卸す
次に行うのは、業務の棚卸しである。
どのような業務が、どれだけ存在しているのか。
まずは全体像を把握する。
この段階で、漏れが出るのは自然なことだ。
重要なのは、一度で全部出すことではない。
セオリー③
漏れがある前提で、重点業務から試す
業務をある程度洗い出したら、
処理件数が多いものや重要度の高いものをいくつか選び、
まずはそこから試してみる。
選んでやってみることで、初めて漏れに気づく。
セオリー④
ジェネラルフローを共有する
重点業務について、ジェネラルフローを作成し、
実務を担う担当者と共有する。
細かくしすぎない。
ただし、判断点や分岐点は漏らさない。
セオリー⑤
正しさより「実態」を優先する
手順書や規則との齟齬があっても構わない。
それらは過去に作られたものであり、
環境の変化によって実作業が変わるのは当然である。
目的は、正解を決めることではない。
現状を知り、問題を発見し、課題を共有することだ。
セオリー⑥
スイムレーンで業務を描く
ジェネラルフローを、
縦軸を時間、横軸を処理者またはチームとした
スイムレーンの業務フローに落とし込む。
処理ボックスは一段階だけ細分化する。
発生する文書についても、一時的なものか、記録として残すものかを区別する。
以下にスイムレーンを使った業務フローの例を示します。
この段階では、
実務を担う担当者の認識の違いや、正しさは問わない。
セオリー⑦
違和感・詰まり・属人点を拾う
描いた業務フローをもとに、
- 手が止まるところ
- 無理な調整が必要なところ
- 特定の人に依存している工程
を拾い上げる。
ここでは、
実務を担う担当者の目線と、管理者の目線の両方が必要だ。
重要なのは、問題だと断じることではない。
存在を共有することである。
視える化は「気づく力」を育てる
業務の視える化は、完成させることが目的ではない。
現状を描き、手が止まるところに気づく。
その積み重ねが、組織の力になる。

