「整理されているはずなのに、なぜ“使えない”のか」(自治体第1回)
「この件、前にも同じような検討をしていませんでしたか?」
庁内の打合せや説明の場で、
そう言われて過去の文書を探した経験はないでしょうか。
フォルダを開くと、資料は見つかります。
検討資料、会議資料、決裁文書。
年度別に整理され、分類もされていて、
「文書が管理されていない」わけではありません。
それでも、画面の前で手が止まります。
なぜこの案を選んだのか。
なぜ別の選択肢は採らなかったのか。
どこで判断が分かれたのか。
資料はあるのに、判断の流れが見えない。
結局、
「当時の担当は誰だったかな」
「異動前の〇〇さんなら知っているかも」
と、人を探し始めることになります。
文書は残っています。
整理も分類もされています。
それでも、説明や引き継ぎには使いにくい。
情報公開請求や住民からの問い合わせでも、
同じことが起きます。
決定文書は出せる。
結果は示せる。
しかし、検討の経緯を説明しようとすると、
複数の資料を突き合わせ、
記憶を頼りに話を組み立てることになる。
ここで多くの現場は、こう考えます。
「もっと文書整理を徹底すべきだったのではないか」
「分類が足りなかったのではないか」と。
けれど、困っているのは
文書が存在しないことではありません。
判断に至る手がかりが、文書として残っていないことです。
これは個人の問題ではありません。
多くの自治体で当たり前になっている、
仕事と文書の“つながり方”の問題です。
次回は、
「きちんと文書管理しているはずの自治体」でも、
なぜ説明や引き継ぎで消耗しやすいのか。
その理由を、もう一段掘り下げます。
文書管理や公文書管理について、
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