営業秘密保持誓約書、まだ紙ですか
新型コロナ対策で、テレワーク化が進み、在宅勤務・サテライトオフィスでの社内情報や、営業秘密の扱いには、これまで以上に注力されていることと思います。従来にも増して強力なITツールを導入されている企業も多いかと思います。
今年も従来のように、従業員に、紙の「営業秘密保持誓約書」または、「情報セキュリティ規則遵守誓約書」に、手書きのサインや押印をしてもらってはいませんか。
テレワーク化が進み、ペーパレス化、ノーペーパーワークの必要性が理解されているのに、
何故、電子的な取り扱いができないのでしょうか。
「誓約書は紙でないといけない」という先入観念
「誓約書は紙でないといけない」というのは、契約書や、申請書には「押印が必要」と等しいくらいの先入観念・誤解なのです。つまり、簡単に言えば、「この内容を守ることを誓約しますか。」、「はい」・「いいえ」を答えてもらうところをシステム化し、ログを残せばよいのです。
そうすれば、毎年毎期ごと紙で行っていた誓約書の印刷、誓約書の回収、保管も電子に置き換えられるので効率的になります。また、新型コロナ感染下では、紙にウィルスが付着することも想定する必要があるので、この対策にもなり、一挙両得となる訳です。
誓約書が紙か電子より重要なこと
誓約書の有効性という意味では、紙に手書きで署名する方が、署名者の意識が高まるので、よいとは言われています。しかし、もっと大事なことは、署名した人に、誓約書の内容や営業秘密保持、情報セキュリティ規程を理解させていることが、会社側としては必要なのです。
そのために、何をやるかが、重要なのです。例えば、以下のようなことです。
①会社としての営業秘密保持や情報セキュリティ規程に関するe-learingの実施、
②従来であれば、会議室に集まってのミーティング、新型コロナ下の今なら
WEBオンライン会議などを通じた Face To Face での教育、
③教育履歴を残す。
署名はしたが、知らなかったとは言わせてはいけないのです。
中小企業では、自社ノウハウの流出が命取り
営業秘密や社内情報の漏洩というと、どうしても個人情報の漏洩だけに集中しがちです。
しかし、自社のノウハウや顧客リストを従業員に持ち出され、それをもとに、別会社を設立されてしまう、ライバル会社に真似されるというのは、中小企業では、よくある事例です。
営業情報として管理ができていれば、相手を訴えられるものの、そうでない場合は、泣き寝入りになってしまいます。
中小企業では、親会社から預かった情報の漏洩には神経を尖らすのに、どうしても自社ノウハウを軽視しがちです。自社ノウハウも同じように重要であり、ITツールの導入だけに頼らず、従業員の教育、営業秘密を守る仕掛けづくりが大切です。
決して、誓約書に手書きで署名させたから安心という考えは持たないようにしましょう。
文書戦士
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