経営者

「情報マネジメント」レベルで考えよう(1)

文書管理という言葉では伝わっていない

私は、長らく、文書管理(電子文書管理)という分野に関わってきました。
デジタルコンテンツも管理対象とするいうことで、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(略称:JIIMA)では、「文書管理」という用語を「文書情報管理」と言い換え、
これからは、「文書情報マネジメント」が必要と普及・啓発に努めれておられますが、
いわゆる、昔からの文書管理に関わっている業界や職種の人にしか中々伝わっていないというのが実情に近いです。

「文書情報マネジメント」という概念は大変大切な概念ですが、殆どの経営層の方には、
書類の整理や「国税関係帳簿保存」程度にしか捉えられていないと思います。

「文書」という言葉が最初に来るからミスリードを起こす?

「文書」という言葉、「文書」ということから連想する紙文書や、ファイルサーバーに雑多に入っている大量の文書群を連想させるから、「文書情報マネジメント」を意義が正しく伝わらないと仮定してみました。

そこで、今回は、「情報マネジメント」という言葉を使ってみたいと思います。

私自身は、現在の「文書情報マネジメント」が指しているところは、「情報マネジメント」なんだろうという感覚は持っていました。

「情報」とは

「文書」というと紙であれ、電子であれ、「もの」として捉えられてしまいます。

では、「情報」とはどういう概念なのでしょうか。Wikipediaには、以下のように説明されています。
情報とは何かという問い、ただひとつの答えを与えることは困難である。 情報という用語は、informationは歴史的に見ると哲学的な意味を継承している。が、近代では、事象、事物、過程、事実などの対象について知りえたこと、つまり「知らせ」の意味で広く使われてきた。20世紀、1940年代までの日常言語では、情報が諜報と近い意味と見なされ、なんらかの価値あることを知ったとき「情報を得た」といったように用いていた。《価値》と結びつけられたものを《情報》としていたわけである。」
これは、「こと」として捉えいいのではないでしょうか。

企業活動の中では、次のような位置づけにあるものです。
・証拠/証跡
・価値・財産
・知識(ナレッジ)
・創造の源泉

企業理念、会社方針に紐づいた「情報マネジメント方針」の必要性

企業に取って重要な情報をどのような考え方で取り扱っていくかは、非常の重要なことであり、経営者が、経営層と一緒になって考え、従業員に徹底していくべきものだと思います。

しかしながら、今の日本では、「情報マネジメント」=「情報セキュリティマネジメント」と理解されております。

総務省のHPに依れば、情報セキュリティマネジメントとは、「企業・組織における情報セキュリティの確保に組織的・体系的に取り組むことをいいます。」であり、情報セキュリティの概念は、「企業や組織の情報資産を「機密性」、「完全性」、「可用性」に関する脅威から保護することです。 」とあります。また、日本の殆どの会社で厳しく指導されているのは、「機密性」に関連した「情報漏えいの防止」です。確かに、「情報漏えいの防止」が重要なのはわかりますが、折角、「情報セキュリティ対策本部」を設立しても、その実態は、「携帯やスマホを置き忘れるな」、「会社書類を持って飲み会にいくな。」レベルで終わってはいませんか。

「情報セキュリティマネジメント」は、「情報マネジメント」の一部です。したがって、「情報セキュリティマネジメント」の前に、「情報マネジメント」について、自社の考え方をまとめて、従業員と共通意識を持ち、判断基準を指し示すことが必要なのは至極当然です。

実は、「文書情報マネジメント」は、この「情報マネジメント」を指していたのですが、
「文書」という言葉ついてしまっているがゆえに、経営者、経営層の理解を得られていないのではないかと考えています。

いかがでしたでしょうか。

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