文書情報管理という言葉をご存じでしょうか。
「文書管理」という言葉が多くの経営者の方に、文書の整理・整頓というイメージを与えているのではいかと思っています。日本で文書管理に取り組んで来た一番の老舗の団体である「公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(略称:JIIMA)」では、「文書情報管理」、「文書情報マネジメント」と呼び、文書だけでなく、情報管理の一環であることをPRしていますが、情報管理全般を指しているという認知が進まないのが実情です。
情報活用方針(ポリシー)の制定、周知の必要性
日本では、情報漏洩事故が会社イメージの低下、実損を伴うことから、情報の取り扱いといえば、「情報漏洩防止対策」だけやっていればいいような風潮が長く続いて来ています。つまり、経営理念の下に直に、情報セキュリティマネジメントが位置付けられしまっています。
こうなってしまいますと組織は「情報漏洩防止対策」にまっしぐらになってしまうことも、うなづけます。本来は、どうあるべきかということを考えますと、情報を活用する方針(ポリシー)があって、知の伝承や、創造、データの保全、情報の共有、情報のセキュリティ管理(情報漏洩防止)などあるべきと考えます。文書情報管理はこのような情報活用方針以下をカバーするものなのですが、どうしても過去の紙ファイルの整理・整頓のイメージから脱却できていません。
本来、文書情報管理は、「情報活用方針(ポリシー)」も含んでいましたが、どうしても狭い意味にしか捉えて頂けないとしたら、「情報活用方針(ポリシー)」というキーワードを分けて周知した方がよいのかも知れません。
情報活用方針を制定することのメリット
情報活用方針を制定することで、経営理念と情報の取扱い方が直結しますので、情報漏洩以外に、知の伝承・創造をどう考えるか、業務の効率化をどうデータの保全をどう考えるか考えるかを従業員に周知し、個々の場面での判断の材料とすることができます。
日本には、これまで多くの素晴らし経営者がおられ、経営理念を立て、それを実現してこられました。しかしながら、会社として情報活用方針を制定してこなかったため、どのような判断基準をもっておられたのかが、わからず、引き継いだ経営者や新会社を興した経営者は、また暗中模索で、感と経験に頼らざるを得ない面がありました。情報活用方針を設定することで、この対策にもなるのではないでしょうか。
経営者の方々にとっても、「自社の文書情報管理への取り組みはどうするのか」を考えるより、「自社の情報活用方針をどうするのか」という方が具体的でわかりやすいのではないでしょうか。
流行り言葉に振り回されず本質に取組む
日本は、皆さんもご存じのように、バズワード(流行り言葉)に振り回される傾向が強いです。「ペーパーレス」、「働き方改革」、「DX」等々ありますが、情報に関して言えば、
情報の活用方針をどう考えるのかという本質的なところが大切なのではないでしょうか。
文書戦士
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