ナレムコの統計って聞いたことありますか。
時間の経過と共に文書の使用頻度は低下していくことを示した統計で、上図のように時間の経過とともに、参照頻度が低下していくことを示したものに、ナレムコの統計があります。半年で登録直後の10%、1年経てば1%程度しかみない。という結果です。ナレムコは、米国の記録学会(NAREMCO:National Records Management Council)の通称です。
あ・あ・あれねと殆どの皆さんが頷いたと思います。
この考え方は今も有効なのか、正しいのか。
この統計結果は、この統計を取った年代、作業環境では正しかったのかも知れませんが、本当に現在に適用していいのでしょうか。残念ながら、この疑問を持つ方は極少数で、今も
これは正しいと多くの方に教科書的に固定観念で捉えられています。
そこで、この統計を取った年代と対象の作業環境を確認してみます。
そうすると、この統計が発表されたのは、1946年、なんと昭和21年で第二次世界大戦終戦直後です。また、事務作業を対象としています。
ここと現在の差をどう読み解くか、誰でもわかることですが、当時は「紙と鉛筆・万年筆」の時代は、今は電子化も進みインターネットの時代です。また、作業対象を事務作業としているところも一般的なのか気にかかるところです。
文書を利用すると言っても、紙の場合は、居室の中やその付近あるもの(いわゆる事務所内)しか実務上使えないので、どこまでを近くに置いときましょうか。じゃあ二年間にしようという根拠にしてきたのではないでしょうか。また、これは使用した頻度であり、使用したかった頻度でないことも気になります。
個人の忘却曲線が重なっていないか。
当時は、現在のような電子的な検索システムもなかった時代です。文書台帳をきちんとつけていたのでしょうか。現在でも紙文書の台帳をきちんとつけている会社は少ないですよね。使用した文書というものの前提が、「存在していることを知っていること、だいたいのありかがわかっていること」が、前提としているように思えてきます。
どうでしょうか。それって、個人の忘却曲線でフィルタリングされてるのではないでしょうか。
文書・情報を会社の攻めに活かすために
そもそも会社の攻めの活動に活かすべき対象は、研究・開発・事故・クレーム・顧客状況などであり、事務作業の優先順位はぐっと下がります。使用頻度という観点で測るのではなく、文書・情報を見つけ出したい期間は何年間かということを中心に切り替えた方がいいように思えますが、いかがでしょうか。
そこにどこまでの資金・人を掛けるか、まさしく経営判断になります。
また、膨大な文書・情報から必要もの見つけ出すにもIT投資が必要になるでしょうか。
この方向付けは、ボトムアップではなく、トップダウンで行った方が、会社の成長スピードがあがり、他社差別化に繋がるでしょう。一緒に考えていきましょう。
文書戦士
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