経営層の皆さん
企業にとって、「文書管理」とは、何でしょうか。
「文書管理」って、ファイリングのことだろう。昔は、書類をファイルやバインダーに綴じて、書類棚に保管していたな。今は、電子化でファイルやバインダーを見かけることも少なくなったし、あまり重要ではない。それよりも、もっと重要なことやるべきこともあるので、後回しだ。
このように、考えていませんか。
もう20年近くにはなるでしょうか。文書だけでなく、データも管理の対象にするとして、「文書管理」は、「文書情報管理」とも呼ばれています。
その本質は、皆さんが考えておられる「ファイリング」とは、全く別次元のものです。企業理念に通ずるものです。つまり、会社が大切にする考え方や価値観・存在意義であり。経営層だけでなく全従業員が共有する価値観や長期に受け継がれる企業文化の一つです。
文書のライフサイクルは、古くは、文書を“登録する”、“保管・活用する”、“保存する”、“廃棄する。”から成ると言われ、これを管理するのが、「文書管理」と呼ばれていました。しかし、これは管理の形式から入ったもので、文書管理の本質を表してはいません。
現代では、文書管理の目的は凡そ次のようなものであるとされています。
・業務を効率的に遂行する
・業務や判断の説明責任を果たす
・技術や技能、ノウハウ等の伝承を行う。
・訴訟リスク等を低減する
・製品やサービスを継続的提供して、社会的責任を果たす
・新たな価値を創造する
・不正の発生を予防する
では、これらからどのような価値観、文化が読み取れるでしょうか。
そうです、それこそが、「文書管理の本質」なのです。