経営者

何のために記録を残すか

会社を強くしたいと考えておられますか。

経営者の皆さんなら100%の方が”Yes”と答えると思います。

そんな方々でも、「文書管理」というと「国税対応帳簿や書類」、「法定保存文書」を残すこと、さらに、これらを「文書管理規程」に従って残すという程度の発想の方が多いのではないでしょうか。このような活動は、「会社を強くする」ことに直接は繋がらないですよね。
このような活動は「会社が義務を果たす」ための活動なので、できるだけ省力化して、
マンパワー、資金の余剰を生み出すということが必要とされます。

手垢のついたイメージ「文書管理」、「文書情報管理」

どうしても「文書管理」、「文書情報管理」というと、後ろ向き、守りのイメージがついて回ります。実際には、攻めの面もあるのですが、ほとんどイメージして頂けることはありません。いつもとても残念に思っています。

企業の経営資源は、有形資源の「人、物、金」、無形資源の「情報的経営資源」

会社を強くするには、他社との差別化が必要とは毎度唱えられますが、「物、金」については、競争相手から模倣しやすいものです。そのため、新製品・新サービスのリリースに運よく成功しても、それ以外の「人」、「無形資源」が伴っていないと他社からすぐにキャッチアップされてしましいます。真の意味で会社を強くするには、この「人」、「無形資源」のところで他社に差をつけていく活動をする必要があります。

まずは、属人的な情報も残すことが大切

人、個人に付随している情報を、組織で共有するレベルにするプロセスモデルとしては、よく知られているのが「SEICモデル」です。以下、日立評論からの抜粋を紹介します。

SEICモデルとは,具体的に
(1)他者や自然に対する人間の共感をベースに(共同化:Socialization),
(2)対話などにより本質を抉り出して概念化し(表出化:Externalization),
(3)個々の概念を結びつけて理論化・物語化し(連結化:Combination),
(4)実践をしながら持続的に知を創り続けていく(内面化:Internalization)
組織全体で知識を創造し続けるためのスパイラル状のプロセスである。
特に重要となるのが初めの「共同化」である。「5感を駆使して、直接体験を暗黙知として共有する」こととされている。

経営者の皆さんは、最近の「働き方改革」の流れで、「属人化の排除」を優先的に思い浮かべてしまいますが、業務や仕事のレベルを上げるには、過度な締め付けは危険です。

代表的なところでは、士業の方や職人の方です。こういう方は、個人のスキルアップのなかで、自分でも気づいていない様々なノウハウや経験を蓄えておられます。また、多くの方が、マニュアルに沿った作業をやっているように思ってはおられるが販売員ですが、実は、無印良品では、「ムジグラム」という業務マニュアルを現場の販売員の意見を取り入れて改訂を続けています。ここにもノウハウ、工夫があります。

さらに、アフターコロナ―では、会社や部門のメンバーが別々の場所で働く時代となります。自然とチーム内に暗黙知が残るということはありません。

まずは、普段の活動を組織として利用できる形で、記録に残していくことから始めるのではないでしょうか。

お客さまをより大切にする

SEICモデルでは「表出化」まで進めて、ルール化等の形式知かまで行わないと効果が見えないように思えますが、各個人についてみれば、自身の活動を記録に残しておくことで、ふりかえりが可能となります。とくに、定型作業ではなく、ちょっと定型から離れた対応をした後で、あの時の対応はあれでよかったかの反省もできます。

このような反省は、お客さまをより大切にする考え方、行動に繋がって行きます。

さらに、記録に残し、上司や同僚にも開放しておくことで、「共同化」しやすい環境づくりもできます。このような記録があれば、それを見ながらのWeb談義も可能です。

このような活動のイニシャティブを取るのは、経営者の皆さんです。

文書戦士

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