「デジタルトラスフォーメーション」と叫ばれてはいるが
経営者の皆さん、「デジタルトランスフォーメーション」に取組んでおられますか。
令和2年12月28日には、経済産業省から「DXレポート2」も発信されています。
その中でも、大いに納得できるのは、「3.1 企業の目指すべき方向性」の中、”特に今般のコロナ禍を受けて社会の変化のスピードが格段に上がっている中、企業は生き残りのために、中長期的な課題も見据えながら短期間の 事業変革成し続ける必要がある。そのためにはまず、短期間で実現できる課題を明らかにし、ツール導入等によって解決できる足元の課題には即座に取り組み、DXのスタートラインに立つことが求められる。その上で、競争優位の獲得という戦略的 ゴールに向かって繰り返し変革のアプローチを続けることこそが企業に求められるDXであると考えるべきである。”というくだりです。
どうもツールの導入だけに力が入り、戦略的ゴールに向かっての「繰り返しの変革アプローチ」が疎かになっているように見えてしかたがないのですが。いかがでしょう。
経済産業省もDXレポート2の中で、「先般のDXレポートでは”DX=レガシーシステム刷”」等、本質的ではない解釈を生んでしまい、」と反省しておられます。
文書管理から文書情報マネジメントに移りましょう。
文書の管理、活用においても「繰り返しの変革アプローチ」は当然必要です。しかしながら、経営者の方々には、「文書管理」という言葉は、手垢にまみれた感があり、「文書管理規程」を中心とした「固定観念」と受け取られているのではないかと危惧しております。
そこで、「戦略的 ゴールに向かって繰り返し変革のアプローチを続ける」という意味を含む「文書情報マネジメント」に取組んで頂くことを提案したいと思います。
では、何から取り組んだらいいのでしょうか。
文書の整理は、業務をやっていたら何かしらやっている筈です。
そこで、「戦略的ゴールに向かって」となると、個人としてではなく、
組織としての成熟度が問われます。
組織として、必要な情報を見抜けるか!
その一番、初歩であり、必要な能力は、「組織として必要な情報を見抜けること」です。
もちろん、文書管理規程などに保管・保存文書として、その一覧があり、利用することは否定しませんが、それに頼り切りになると「固定観念」に囚われて、必要な情報を識別する能力を失ってしまいます。
経営者は、経営者として、事業部長は、事業部長として、部長は部長として、課長は課長として、係長は係長として、担当者は担当者として、それぞれ能力を高める必要があります。
業務を実行することと、情報を残す、捨てることは一対であり、「文書情報マネジメントはやれてない。」が、業務は立派にやっているなどということはあり得ないのです。
簡単なテストをやってみては、どうでしょうか。
各人が業務として、実行してる中で、取り扱っている情報を次のように分類をしてもらいまませんか。
①組織・プロジェクトの証跡として保管・保存すべき情報
②組織・プロジェクトで利用できる有用な情報
③組織・プロジェクトで2年程度共有すれば十分で、
それ以上保管・保存する必要のない情報
④第三者が利用できる状態にない個人的、属人的な情報
それを同僚、上司、部下と共通認識にあるか確認して見るのです。
皆が共通認識を持てば、必要な情報は残す。
ベテランとはいいませんが、仕事に慣れてくると自己流が多くなります。
組織、プロジェクトとして必要なものを残さず、省略したり、
一方、必要以上の情報を自分しかわからない形で残したりします。
このような状況を放置すれば、残された情報はごみと化します。
経営者の方針の発信が大切
一番、社員を動かすのは、経営者の方針、社員の評価の仕方です。
短期的に成果を上げることだけを評価していると、そのような体質の会社になります。
個人事業主だって、今のことしか責任を持たない人は、顧客からの信用を失っていきます。
経営者自身が、事業に必要な情報を見抜く眼力をもって、社内に切磋琢磨する組織文化を醸成することが、「繰り返しの変革アプローチ」につながるのではないでしょうか。
文書戦士
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