新製品開発どのようなアプローチをしていますか?
まずは、SWOT【Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)】分析でしょうか。確かに、これはベースになるので、疎かににできません。ただ、この分析は奥が深いので、一度出した解を金科玉条のように変えないということは避ける必要があります。
このSWOT分析を経て、自社の経営方針やリソース、市場動向を見て、新製品は開発するものだと思っています。
経営者や事業責任者を中心に企画部門が入って検討することもあります。
また、従業員にアイデアを募集することもあるでしょう。
そこはレッドオーシャンだからやめておこう
折角、従業員がアイデアを出しても『そこはレッドオーシャンだからやめておこう』、『ブルーオーシャン市場の提案を期待しています。』とマーケティングをかじった人が言うことが、ある。それは本当だろうか?
ブルー・オーシャン戦略は、欧州経営大学院の教授のW・チャン・キム とレネ・モボルニュ が著したビジネス書の中に経営戦略論ということである。Wikipediaによれば、「ブルー・オーシャン(青い海)」とは、競争のない未開拓な市場で、「レッド・オーシャン(赤い海)」とは、血で血を洗うような競争の激しい既存市場のこというそうです。
また、その例として、NTTドコモのiモード、Wiiなどが挙げられています。
ブルー・オーシャンを狙えは本当か?
「ブルー・オーシャン(青い海)」とは、競争のない未開拓な市場を狙うことは本当に正しいのだろうか。私には、どこか童話『青い鳥』のチルチルとミチルの兄妹にも重なってしまいます。自社の強みを活かせる分野、過当競争にならない戦い方を目指すのは、いいとして、競争のない未開拓な市場を狙うことは私には正しいと思えません。
何故ならば、競争のない未開拓な市場とは、①実は、そもそもニーズがない市場の可能性があります。仮に実は潜在ニーズがあったとしても、②ニーズを確認したり、需要を喚起するにもコスト・時間がかかることが多いです。ただ、成功すれば、先行者利益は得られます。
もう一つ大切なことは、そこにニーズがあれば、必ずや他社が参入してくるということです。私の世代では、ポータブルテープレコーダーのウォークマンがそうでした。この分野にニーズありと知れると他社が一斉に参入しました。
ブルー・オーシャンを追い求めるのではなく
ブルー・オーシャンがいつまでも続くは幻想です。ブルー・オーシャンで始まっても必ず、参入者は現れます。その時、レッド・オーシャンに陥らないように、他社に先んじて自社の強みに磨きをかけることの方が大事です。
さきの従業員提案に話を戻せば、確かに、その分野は既存ビジネス分野だったかも知れません、しかし、血で血を洗うくらいの競争状況だったのでしょうか。従業員は、自社の強みが活かせるかも知れないと提案してくれたのではないでしょうか。
ブルー・オーシャンを追い求めるよりも自社が戦える市場に参入していく方が大事なのではないでしょうか。
文書戦士